初めの一歩 No.2

Palau National, Montjuic

 

写真:パラオ ナショナル、モンチュイック、バルセロナ

進路のテーマ、第二弾です。

少々長めです…が

悪しからず。

 

ダンサーさんからいただいた

質問の内容について。

想像できる範囲の

などは別として

今後プロとして活動していくという

事実を考慮した意識の高い質問と

驚くほど幼いと感じる質問の両方があり

そのアンバランスが

「若い」

という事なのかと考えますが

両方が同じ個人から発せられる度に

ギャップの大きさに驚きました!

 

一例です

  • 報酬、社会保障制度などのシステムについて。
  • 就職後にバレエ団を移籍する場合のオーディションはどのように行うのか。

との質問をした個人から

  • オーディションはどのようなアウトフィット(何を着るべき等)で受けるべきか
  • バレエ団入団後に髪の毛の長さや髪型なども指定があるのか?(オーディションをした際の風貌から入団までの明らかな変化は許されるのか?突然ショートにする、髪の毛を染めるなど。)

と聞かれ、同一人物?!と仰天しました。

今までそれだけ規制が厳しかったのでしょう。

 

少し話がそれますが

中学生の数人に振り付けをした際に

「衣装はどうするのですか?」

と聞かれ

「どんな物を着たい?」

と聞き返したら

生徒さん達は目をまん丸くして驚いていました。

 

逆に私はそれを見て驚いたのです…。

 

日本はやはり

様式や姿形に厳しいですね。

制服がある学校も多いですし

そのようなシステムのメリットも

当然あります。

 

ただ海外のダンサーさん達は

若くても(子供でも)

「自分」をとても意識しています。

まだ自分が誰なのか

「わからない」

という状態の人も多いですが

「今の自分はこう」

逆に

「これは自分でない」

という感覚を大切にしています。

 

日本の一般的な学校システムの中で

周囲と共存することを学ぶ事は

他国に少ない

貴重な文化の一つでもあり

素晴らしい価値のある物です。

 

ですが、その為に

必ずしも個性がある事を

望まれない

または利点だと考えられない環境

に育っている事もあり

海外生活で変化が求められる

一つの大きな課題

または目標になるかもしれません。

 

知り合いの指導者であり

バレエミストレスとしても

活動されている方が仰った言葉。

 

「ここは自分探しをする場所」

 

印象的です。

その場所は

17〜 22歳くらいのダンサーさん達の

集まりでしたが、

本当にその通りだと思います。

 

 

嬉しかった相談もありました!

  • 海外経験なしではあるが、欧州での活動にチャレンジしたい

 

最近は海外留学をする事が

最終的に海外で踊る結果に繋がると

考える傾向にあるように見受けますが

そんな事も…ないと思います。

あくまでもケースバイケースです。

 

留学をした方々が

必ず仕事を取れていませんし、

私は留学後に仕事が取れずに

悩んだダンサーさん達を

多く見てきました。

海外で踊られている方々より

留学後に帰国された方々の方が

はるかに多いです。

 

コンクール受賞も然り。

必要条件ではありません。

 

結果は本当に個人差があります。

そこには怪我や病気意外にも

タイミングや運も関係し

自分自身ではコントロールできない

多くの理不尽な要素が関わります。

 

逆に留学せずに

チャレンジをするには

それだけの…意識や覚悟が必要ですし

経験のない

または

知らない環境に自分を置く

新しい分野に移行するということは

勇気のいること。

そのような動きは

若いうちの方が

順応しやすいとは

言われますが。

それも個人差。

 

希望、意欲と夢があれば

きっと猛スピードで

走り初められますから…。

 

きっと今までも

そうして踊ってきたのですから…。

何かに導かれて

海外に行くことになった。

結果はどうあれ

その経験から学ぶ事は

山とあるはず。

 

ただ一つ大切な事。

「海外で踊りたい」は

もちろん立派な目標。

 

ただそれが「お仕事」になる。

つまり就職です。

 

踊る事で自分が生計を立てて行く。

そこには「生活」という

新しい事が加わる。

 

お客様にひとときの

至福や感動を与えるなどの

社会貢献するだけでなく

お給料をいただく

社会保障を払う

税金を払う

生活する事が

伴うのです。

 

掃除も洗濯も料理も

光熱費や家賃の支払いも

銀行口座の管理も

自分の責任。

 

そして

プロとして踊る意識。

自分が踊りたいように踊る

先生に言われたように踊る

ではなく

バレエマスターや

振付家の要求やイメージを

吸収して

自分の感性で

自分なりの表現する。

自己満足ではなく

アーティストとして

お客様に価値を提供するだけの

クオリティが必要。

 

そして自分の身体が

かけがえのない

仕事道具であり

そのメンテナンスも

自己責任。

誰もケアしてくれません。

 

 

まだまだ人生の選択の

出発点に立っている彼らが

これから先

少しでも有益な決断や

行動ができるよう

サポートできたらと

思っています。

 

最後に…

面白い質問をいくつかされました。

 

私が初めて渡航をする前に

どのような事を考えていたのか、

はっきりとした目標や固い決断などがあったのか。

どのような経緯で仕事をとったのか。

なぜ&どのようにコンテンポラリーへ

移行したのか…などなど。

 

改めて思い返すと

あまりにも

「行き当たりばったり」。

偉そうな事を書いていますが

壮大な決意や意識の改革なく…

だった自分の行動を思い返し、

その話をすると

大変面白がってくれた(!)

ようでしたので

次回はそちらを…

 

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