前回オーディションで大切なのは
運とタイミンングだとお話ししました。
運はまだしも
タイミングを逃していないですか?
運は自力ではどうにもならないけれども
タイミングはコントロールできる可能性があります。
ダンサーさん達のお話を聞いていると
実はタイミングを逃しているのは自分の考え方かも?
と思う時が度々あります。
そうなんです、またタイミングが大事!
ちょっと今回は辛口ですが、悪しからず…
目次
タイミングを逃す理由の3例
タイミングを一度キャッチしても
逃してしまう時の理由や言い訳を
分析してみましょう。
ダンサーさん達のお悩みを聞いていると色々とありますが
この3つに似たものが多いです。
<ケース1>
「もうシーズンも終盤。
今すでに次のシーズンの新作リハーサルに入っているので
自分が突然辞めると迷惑がかかる」
<ケース2>
「せっかく来シーズンの公演で良い役をもらったから、これを踊ってから辞めたい。」
<ケース3>
「もう契約破棄を正式に通知できる時期をすぎてしまっているから…」
真面目な人が意外と多いのですね。
どれも気持ちはわかるのですが大事なのは
短いダンサーの人生で何が自分にとって本当にプラスになるのか
よ~く考えて下さい。
<ケース1>遠慮は禁物!
迷惑かけたくない「立つ鳥跡を濁さず」?
嫌な言い方になりますが、代わりのダンサーは必ず見つかるのです。
カンパニー側も
「去りたくて モーティベーションの低い
でもバレエ団のレパートリーを知り尽くしているダンサー」
よりも
「希望を持って前向きに仕事に来てくれる新しいダンサー」
の方を望むという意見がほとんどです。
「去るもの追わず、来るもの拒まず」の精神が雇う側、つまりバレエ団の意見。
自分が心配する「立つ鳥跡を濁さず」はあまり重要でない…
また今現在のディレクターと関係が良く
カンパニーでもそれなりに成功しているが、
より良いカンパニーやキャリアを望むために辞めたい。
でも突然辞めると伝えて、良い関係を築いた
ディレクターをガッカリさせたくないなぁと思うのなら
自分の展望や考え方をきちんと話しに行くべきです。
良い関係を保てているからこそ、ダイレクターも理解してくれるはず。
下手に嘘を作り上げたりするよりも、キャリアアップを望むことを伝えて下さい。
これらを天秤にかけてみて下さい
一瞬の迷惑をかける申し訳なさ+
もう一年変化のない時間を過ごす気分
V.S.
新しいカンパニーに移れた後の自分の成長+
ダンサーとして、人間として前進できる可能性
自分が大事
ダンサーの命は短いです
<ケース2> 今の自己満足より、将来のスキルアップ!
「その役踊りたい」 自分にプラスになりますか?
そのせっかくだから踊りたいパート、
夢に見た役を踊る事は自分のスキルアップにつながりますか?
答えがYESの場合はもちろん素晴らしい。
でも良く考えて下さいね。
そのために他のカンパニーからオファーされたお仕事を棒に振るわけです。
前回お話ししましたが、
今ダイレクターから契約をオファーされた=来年も貰えるはず…
ではないのです。
再度天秤にかけてください
踊りたいパート、役を踊って得られる自己満足感
V.S.
オファーをもらったカンパニーへ移籍した後の可能性
またはキャリアとしてのプラスα
さてどちらが自分にとってのスキルアップになりそうですか?
もう一度リピートさせてくださいね
ダンサーの命は短いです
<ケース3>規則に例外あり!契約破棄?
国やバレエ団のシステムによって契約内容も違うと思いますが、
意外と例外も多いのです。
移籍するバレエ団の方で良いポジションをもらっていたら
つまり今はコールド、でもオファーされた契約はソリストであれば
ギリギリの通知でも許されるとか…
コールド、ソリスト、プリンシパル等の各ポジションで
契約内容もかなり違います。
バレエ団に契約などに詳しい人は必ずいるものです。
ダンサー代表の「カンパニー スピーカー」を担っている人などが多分…
信頼できそうな人であれば、契約の状態を聞いてみると
意外な落とし穴があって、セーフである場合も。
でも実は一番良いのは
色々と考えすぎる前に
素直にダイレクターに話しに行く事です。
実際には契約破棄の通告をする時期を過ぎていても
意外とさらっと「問題ないよ」と言われることも多いです。
<ケース1>でお話ししたように
カンパニー側は「去る者は追わず」です
仕事探している才能のあるダンサーは余るほどいるのです。
辛口でゴメンなさい。
(あなたが世界で超トップクラスのダンサーさんである場合は別ですが…)
まとめ
最後に念押し。
ダンサーの命は本当に短いのです。
自分を大事に、後悔のないよう
ある意味自己中で生きていかないと…
周りは自己中な人間の集まりですから。
日本的な遠慮の美学は残念ながら理解されません。
肘で周りを押しのけて行く世界です!!
(実際にしなくてもいいですよ!考え方の話です!)
周りがどう思うだろうなどと心配せずに
目標に向かって
まっすぐ前進してください。
応援しています。
写真:プラハ国立歌劇場 チェコ